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SDGs17の目標と169のターゲット一覧表

寝ころんでできること

SDGs

SDGs(持続可能な開発目標)とは

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2030年年までに持続可能な世界を目指す国際的な目標のこと。

国際的な目標は大きく分けて17個の目標があり、それぞれの目標でさらに細かくターゲット(目標)が決められており、その数は169項目にも及びます。

SDGs17の目標と169のターゲット

目標1:貧困をなくす

貧困をなくそうSDGs

1.1 2030年までに「極度の貧困」と定義されている、1日1.25ドル未満で生活する人々を終わらせよう。
1.2 2030年までに世界中で定義されている貧困状態にある人を、年齢や性別問わずに半分に減らそう。
1.3 2030年までに貧困層や不利益な境遇に立たされる者に対して、十分に保護できるように、世界中で適切な社会保護制度を整えよう。
1.4 2030年までに性別関係なくどんな人でも、教育、保健、飲料水やエネルギーなどのインフラが使えたり、土地や財産の所有・管理・相続が出来たり、天然資源、新技術、金融サービス、経済的資源などの権利を平等に持つことができるようにしよう。
1.5 2030年までに、貧困や不利益な境遇に立たされている人々の基盤を整えより良くすることで、気候変動で起きる気象災害時の経済、社会、環境的ショックを弱めよう。
1.a 貧困を終わらせるにはどうしたら良いのか計画を立て、開発途上国の中でも特に開発が遅れている国々に対して、開発協力を強めたり、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保するなど行動していこう。
1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、世界中で、貧困層やジェンダーに配慮した制度を作っていこう。

世界の現状

1日1ドル90 セントという 国際貧困ライン未満で暮らす人々は、世界中で 7億 8,300万人に上ります
2016年の時点で、全世界の労働者のほぼ 10%は1日1人1ドル90セント未満の所得で家族と暮らしています
全世界の25歳から34歳の年齢層で、極度の貧困の中で暮らす人々は、男性100人当たり女性122人となっています
極度の貧困の中で暮らす人々のほとんどが2つの地域に集中しています。南アジアとサハラ以南アフリカです
脆弱で紛争の影響を受ける小さな国々では、貧困率がしばしば高くなっています
全世界で 5 歳未満の子どもの4人に1人が、年齢に見合う身長に達していません。
2016 年の時点で少なくとも 1 件の社会保障現金給付を実効的に受給できる人々は、世界人口のわずか45%にとどまっています。
2017年には、米国とカリブ海を襲った3つの大型ハリケーンによるものを含め、災害による経済的損失が3,000億ドルを超えたものと見られています

目標2:飢餓をゼロに

飢餓をゼロに

2.1 2030年までに、飢餓を完全になくして、全ての人(特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々)が、1年中、安全で栄養のある食料を食べられるようにしよう。
2.2 2030年までに、日常的に栄養を十分に取れない、又はコレラや結核等などの疾患にかかっている5歳未満の子供のあらゆる形態の栄養不良を解消しよう。また、若い女性や妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養バランスを向上させよう。
2.3 2030年までに、女性や先住民、家族農家、牧畜民、漁業者などの小規模食料生産者たちの生産性や所得を倍増させよう。
2.4 2030年までに、世界中の農業で生態系や守りながら生産性を上げ、気象災害にも負けない生産量が持続可能な食料生産システム作ろう。
2.5 2020年までに、世界中で適正に管理された種子や植物バンクなどを、皆が知識を学び、公正かつ平等に分けて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物たちを維持していこう。
2.a 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力を向上させるために、世界が協力して、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図っていこう。
2.b 貿易についての世界ルールを各国が話し合う「ドーハ開発ラウンド」で決定した内容に従って、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを直していこう。
2.c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場や取引市場の適正な機能を確保するためのルールを決め、皆が在庫数や取引などの情報を共有できるようにしよう。

世界の現状

現在、世界人口の9人に1人(8 億1,500万人)が栄養不良に陥っています
世界で飢餓に苦しむ人々の多くが暮らす開発途上国では、栄養不良率が人口の 12.9%に達しています。
飢餓に陥っている人々が最も多いのはアジアで、全体の3分の2を占めています。南アジアの割合は近年、低下してきていますが、西アジアの割合は微増となっています。
最も飢餓が広がっている南アジアでは、約2億8,100万人が栄養不良に陥っています。サハラ以南アフリカでは、2014‐2016年の期間予測値で、栄養不良率がおよそ23%に上ります。
栄養不良が原因で死亡する 5 歳未満の子どもは年間310 万人と、子どもの死者数のほぼ半数(45%)を占めています
世界の子どもの4人に1人は、発育不全の状態にあります。開発途上国に限ると、この割合は3人に1人に上昇します
開発途上国では、就学年齢の子ども 6,600万人が空腹のまま学校に通っていますが、アフリカだけでも、その数は 2,300万人に上ります。

目標3:すべての人に健康と福祉を

すべての人に健康と福祉を

3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減しよう。
3.2 2030年までに、世界中で新生児の死亡率を1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率も出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡をなくそう。
3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリアなどの熱帯病や伝染病を根絶するとともに、肝炎、水系感染症などの感染症に対処できるようにしよう。
3.4 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、メンタルヘルケアや福祉を充実させるようにしよう。
3.5 薬物乱用やアルコールなどの乱用の防止・治療を強化しよう。
3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させよう。
3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにしよう。
3.8 世界中の人が、信用できて、質の高く安価で基礎的な保健サービスや薬・ワクチンを受けられるように、”ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等を受けられる状態)”を達成しよう。
3.9 2030年までに、有害化学物質や大気、水質及び土壌の汚染による死亡や病気のリスクを大幅に減少させよう。
3.a 世界中で、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を強化しよう。
3.b 開発途上国に影響を及ぼす感染性・非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援しよう。また、TRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)やドーハ宣言のルールに従って、皆が安価な薬やワクチンを使えるようにしよう。
3.c 開発途上国、後発開発途上国や小島嶼開発途上国(領土が狭く、低地の島国)において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させよう。
3.d 世界中で(特に開発途上国)、世界規模な病気を引き起こすような因子が見つかれば早く警告し、その病気を防げるような対策を強化しよう。

世界の現状

■ 小児保健

1990年以来、1日当たりの子どもの死者は17,000人減少してはいるものの、毎年500万人を超える子どもが、5歳の誕生日を迎える前に命を落としています。
2000 年以来、はしかの予防接種でほぼ1,560万人の命が救われました。
世界的な進歩にもかかわらず、サハラ以南アフリカと南アジアが子どもの死者数に占める割合は増大しています。5歳未満で死亡する子どもの5人に4人は、地域で暮らしています。
貧困な家庭で生まれた子供が5歳未満で死亡する確率は裕福な家庭の2倍
小学校しか卒業していない母親を含め、教育を受けた母親の子どもは、まったく教育を受けていない母親の子どもよりも生存する確率が高くなっています

■ 妊産婦保健

妊産婦の死者数は2000年以来、37%減少しています
東アジア、北アフリカ、南アジアでは、妊産婦の死者数がほぼ3分の2減少しました。
開発途上地域の妊産婦死亡率(出生数に対する妊産婦死者数の比率)は、依然として先進地域の14 倍に上ります。
産前ケアを受ける女性の数が増えています。開発途上地域では、産前ケア受診率が 1990 年の65%から2012年の83%へと上昇しました
開発途上地域では、推奨される医療を受けられる女性が全体の半分にすぎません
ほとんどの開発途上地域では、十代の出産件数が減少しているものの、改善のペースは鈍ってきています。2000年代には、1990年代に見られたような避妊具使用の急速な拡大が見られていません。
より多くの女性が徐々に、家族計画の必要性を満たせるようになってきましたが、その需要は急激に拡大しています

■ HIV/エイズ、マラリアその他の疾病

2017 年の時点で、全世界のHIV 感染者は3,690万人に上ります。
2017 年の時点で、2,170万人が抗レトロウイルス療法を受けています。<
2017 年には、新たに180万人が HIV に感染しました
エイズの蔓延が始まって以来、7,730 万人がHIV に感染しています。
全世界で、思春期の女児と若い女性はジェンダーに基づく差別や排除、差別、暴力に直面しているため、HIV 感染のリスクが高まっています。
HIV は全世界の再生産年齢の女性にとって、主な死因となっています
エイズはアフリカで、思春期の子ども(10~19歳)の主な死因となっているほか、全世界で見ても、思春期の子どもの2番目に大きな死因となっています
2000年から2015年にかけて、サハラ以南アフリカの5歳未満児をはじめとする620万人以上が、マラリアによる死を免れました。全世界のマラリア罹患率は37%、死亡率は58%、それぞれ低下したと見られています。<

目標4:質の高い教育をみんなに

質の高い教育をみんなに

4.1 2030年までに、世界中の子どもが男女の区別なく、無償で公正で質の高い初等教育、中等教育を無料で修了できるようにしよう
4.2 2030年までに、世界中の子どもが男女の区別なく、就学前に質の高い乳幼児の発達・ケアなどの知識を得られるようにし、初等教育を受ける準備が整うようにしよう。
4.3 2030年までに、世界中の人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育や職業教育などの高校や大学で学べるようにしよう。
4.4 2030年までに、世界中で技術や職業的スキル、雇用、働きがいのある人間らしい仕事に就けたり、起業できる技能を備えた若者や成人をを増やそう。
4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民、社会的立場の弱い子ども達が、あらゆるレベルの教育や職業訓練に平等に受けられるようにしよう。
4.6 2030年までに、世界中の若者や成人が、読み書きや基本的な計算が出来るようにしよう。
4.7 2030年までに、世界中の学習者が、持続可能な開発を促進するために、人権、男女の平等などを学び、文化多様性に必要な知識や技能を習得できるようにしよう。
4.a 子ども、障害、ジェンダーに配慮した教育施設を考え直すことで、世界中の人々が安心安全に学習できる環境を提供できるようにしよう。
4.b 2020年までに、開発途上国、後発開発途上国、領土が狭く、低地の島国、アフリカ諸国を対象とした職業訓練や高等教育の奨学金を、全世界で大幅に増加させよう。
4.c 2030年までに、開発途上国、後発開発途上国、領土が狭く、低地の島国における質の高い教員を増やす為、国際的に協力しよう。

世界の現状

開発途上国の初等教育就学率は91%に達しましたが、まだ5,700万人の子どもが学校に通えていません。
学校に通えていない子どもの半数以上は、サハラ以南アフリカで暮らしています
小学校就学年齢で学校に通っていない子どものおよそ50%は、紛争地域に住んでいるものと見られます
全世界で6億1,700万人の若者が、基本的な算術と読み書きの能力を欠いています

目標5:ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダー平等を実現しよう

5.1 世界中のすべての女性・女児に対するあらゆる形態の差別をなくそう。
5.2 世界中の女性・女児に対する人身売買や性的、その他の種類の搾取など、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力をなくそう。
5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚、女性器切除など、あらゆる習慣や行為をなくそう。
5.4 お給料が発生しない育児・介護や家事をもっと認め、評価しよう。そしてもっと家庭で家事が分担できるように、公共のサービス、インフラ、社会保障を受けられるようにしよう。
5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性が参加出来たり、リーダーシップを取れるようにしよう。
5.6 国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画・北京行動綱領で定められた内容に基づき、女性への差別や地位向上を確保しよう。
5.a 女性でも、経済的資源に対する同等の権利、オーナーシップ、土地や財産、金融サービス、相続財産、天然資源を保有できるようにしよう。
5.b 女性の能力をさらに高めるため、ICT(インターネット)などの技術を強化していこう。
5.c ジェンダー平等の促進のため、世界中の女性・女子が、あらゆるレベルでの能力を強化できるような政策や権利・法律をもっと導入し、強化しよう。

世界の現状

全世界で、7億5,000万人の女性と女児が18歳未満で結婚し、30カ国で少なくとも2億人の女性と女児がFGMを受けています。
18カ国では、妻が働くことを夫が合法的に禁止できます。39カ国では、娘と息子の相続権が平等ではありません。女性を家庭内暴力から守る法律がない国も49カ国あります。
15歳から49歳の女性と女児の19%を含め、女性と女児の5人に1人は、最近の12カ月以内に親密なパートナーから身体的および/または性的暴力を受けています。それでも49カ国には、女性をこのような暴力から具体的に保護する法律がありません
全世界で女性の政界進出がかなり進んでいるものの、女性国会議員の割合は23.7%と、男女同数にはまだ程遠い状況にあります
性的関係、避妊手段の使用や保健に関して、自分自身で決定を下せる既婚または事実婚状態の女性は、全体の52%にすぎません。
世界的に見て、女性の農地所有者は全体のわずか13%に止まっています
100 カ国以上が、ジェンダー平等への予算配分を追跡する行動を起こしています
北アフリカの女性が、非農業部門の有給雇用に占める割合は5人に1人にも達していません。農業部門以外の有給雇用で働く女性の割合は、1990年の35%から2015年の41%へと上昇しています。
46カ国では現在、女性がいずれかの議院で議員数全体の30%超を占めています。
南アジアでは 2000年以来、女児の児童婚率が 40%以上低下しています。
FGMの慣行が残る30カ国で、FGMを受けた15歳から19歳の女児の比率は、2000年の2人に1人から2017年の3人に1人へと低下しています。

目標6:安全な水とトイレを世界中に

安全な水とトイレを世界中に

6.1 2030年までに、世界中の人が、安全で安い飲料水がいつでも飲めるようにしよう。
6.2 2030年までに、世界中の人が、野外での排泄をしなくていいように下水施設・衛生施設を整えよう。そして女性や女児、社会的立場の弱い人々の声を大事にしよう。
6.3 2030年までに、世界中で汚染の減少、不法投棄をなくし、有害な化学物・物質の放出の最小に抑え、未処理の排水の割合を半減させよう。そして安全で再利用できる水質を作っていこう。
6.4 2030年までに、世界で水不足に悩む人々たちの為に、水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取、供給を確保するなど、すべての技術や開発を使って取り組もう。
6.5 2030年までに、世界の国が協力して、統合水資源管理(水資源)を開発し管理していこう。
6.6 2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼など、水に関連するすべての生態系の保護・回復を行っていこう。
6.a 2030年までに、開発途上国における水と衛生分野(集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術)の支援を世界的に広げていこう。
6.b 水と衛生の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化しよう。

世界の現状

世界人口の10人に3人は、安全に管理された飲料水サービスを利用できず、10人の6人は、安全に管理された衛生施設を利用できません。
8億9,200万人以上が、今でも屋外排泄を続けています。
敷地内で水が得られない世帯の80%では、女性と女児が水汲みの責任を担っています。
1990年から2015年にかけ、世界人口のうち改良飲料水源を利用できる人々の割合は、76%から90%に上昇しました。
世界人口の40%以上は水不足の影響を受け、しかもこの割合は今後、さらに上昇すると予測されています。現時点で17億人以上が、水の利用量が涵養分を上回る河川流域に暮らしています。
40億人が、トイレや公衆便所など、基本的な衛生サービスを利用できていません。
人間の活動に起因する排水の80%以上は、まったく汚染除去を受けないまま河川や海に投棄されています。
毎日、1,000人近い子どもが予防可能な水と衛生関連の下痢症で命を落としています
河川や湖沼、帯水層から取り込まれる水の約70%は、灌漑に用いられています。
洪水その他の水関連災害は、自然災害による死者全体の70%を占めています。

目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

7.1 2030年までに、安くて信頼できる電気や都市ガス、ガソリンなどのエネルギーサービスへを使えるようにしよう。
7.2 2030年までに、世界で石油、石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱、太陽熱などのエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させよう。
7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させよう。
7.a 2030年までに、世界中で協力して持続可能なエネルギーの研究・技術を高めたり、エネルギー関連のインフラとクリーンエネルギー技術への投資を進めていこう。
7.b 2030年までに、世界中の開発途上国、後発開発途上国、領土が狭く、低地の島国、内陸開発途上国の人々が、現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行っていこう。

世界の現状

世界人口の13%は、依然として現代的電力を利用できません。
30億人が薪、石炭、木炭、または動物の排せつ物を調理や暖房に用いています。
エネルギーは気候変動を助長する最大の要素であり、全世界の温室効果ガス排出量の約60%を占めています
世帯エネルギーとしての可燃燃料使用による屋内空気汚染により、2012年には430万人が命を失っていますが、女性と女児はその10人に6人を占めています
2015年、最終エネルギー消費に再生可能エネルギーが占める割合は17.5%に達しました。

目標8:働きがいも経済成長も

働きがいも経済成長も

8.1 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つようにしよう。
8.2 原材料と販売価格の仕組みや、労働者達の多様化、技術向上、新しいアイデアを取り入れることで高いレベルの経済生産性を達成しよう。
8.3 雇用、起業、創造性、新しいアイデアを支援する開発重視型の政策をススめることで、どんな人でも金融サービスを利用しやすくして、小規模な中小企業の設立や成長を応援しよう。
8.4 2030年までに、世界の資源の消費と生産を改善し、先進国が率先して、経済成長と環境悪化のバランスを考えながら取り組んでいこう。
8.5 2030年までに、若者や障害者を含むすべての人が、雇用や働きがいのある人間らしい仕事に就け、正規雇用労働者と正規雇用労働者の同一労働同一賃金を達成しよう。
8.6 2020年までに、就労、就学、職業訓練などを行っていない若者の割合を大幅に減らそう。
8.7 強制労働、奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施しよう。また最悪などんな児童労働も禁止し終わらせよう。そして2025年までに、児童兵士の募集や使用を終わらせよう。
8.8 移住労働者(特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者)など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心に働けるようにしよう。
8.9 2030年までに、雇用をつくり、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業ができるようにしよう。
8.10 国内の金融機関の能力を強化し、すべての人が、銀行での取引や保険など金融サービスを使えるようにしよう。
8.a 後発開発途上国への貿易に関連する技術を支援のための援助し、貿易を拡大をしていこう。
8.b 2020年までに、若年雇用のための世界で考え取り組んでいこう。

世界の現状

全世界の失業率は 2017 年に 5.6%と、2000 年の 6.4%から低下しています。
2016年の時点で、全世界の労働者の 61%がインフォーマル・セクターで雇用されています。農業部門を除けば、労働者の 51%がこの雇用類型に当てはまります。
データが入手できる 45 カ国中 40 カ国で、男性の賃金は女性を 12.5%上回っています。
全世界的な男女の賃金格差は 23%であり、決定的な対策を取らなければ、賃金平等の達成にはさらに 68 年を要する計算になります。男性の就労率 94%に対し、女性の就労率は63%に止まっています。
女性の社会進出は進んでいるものの、女性による無償の育児・家事労働は依然として男性の 2.6 倍に当たります。
2016年から2030 年にかけ、全世界で新たに労働市場に参入する4 億7,000万人に雇用を提供する必要があります。

目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

産業と技術革新の基盤をつくろう

9.1 世界中の人が、安く公平な経済発展と人間の福祉を支援できるように、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強いインフラを開発しよう。
9.2 持続可能な産業化を促進し、2030年までに雇用、国内の総生産における技術や開発の割合を大幅に増加させよう。後発開発途上国については同割合を倍増させよう。
9.3 特に開発途上国における小規模な製造業やその他の企業の、安く資金を貸付できるような金融サービスや、市場へのアクセスを拡大しよう。
9.4 2030年までに、世界中で資源利用の効率を上げて、クリーン技術、環境に配慮した技術・産業プロセスの導入の拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させよう。
9.5 2030年までに、新しい方法を取り入れ、100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させよう。また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させよう。
9.a アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国、領土が狭く、低地の島国への金融・テクノロジー・技術の支援を強化し、開発途上国における持続可能で強いインフラ開発を促進しよう。
9.b 産業の多様化や商品への付加価値などの政策を整えて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援しよう。
9.c 後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに一般の人でも安くインターネット・アクセスを提供できるようにしよう。

世界の現状

多くの開発途上国では依然として、道路や情報通信技術、衛生施設、電力、水道といった基礎インフラが整備されていません。
世界人口の16%は、携帯ブロードバンド・ネットワークにアクセスできません
低所得国をはじめ、多くのアフリカ諸国では、インフラの未整備により、企業の生産性が約40%損なわれています。
全世界の製造業の付加</div> <div>価値がGDPに占める割合は、アジアの製造業の急速な成長に伴い、2005年の15.2%から2017年の16.3%へと増えています。
産業化による雇用乗数効果は、社会に好影響を与えます。製造業で雇用が 1 件増えれば、他の部門で2.2件の雇用が生まれるからです。
生産加工と製造に携わる中小・中堅企業は、産業化の初期段階で最も欠かせない存在であり、最も多くの雇用を生み出すのが普通です。こうした企業は、数にして全世界の企業の90%以上を占め、雇用の50~60%を創出しているからです。
後発開発途上国には、食料・飲料(農産業)と繊維・衣料産業の分野で巨大な潜在能力があり、持続的な雇用創出と生産性向上を達成できる見込みも十分にあります。
中所得国は、基礎・組立金属産業への参入で利益を得られます。幅広い製品で、国際的な需要が急成長しているからです。
産業と技術革新の基盤をつくろう

目標10:人や国の不平等をなくそう

人や国の不平等をなくそう

10.1 2030年までに、世界各国の所得下位40%の所得成長率を上げて、持続させよう。
10.2 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教に関係なく、すべての人が能力を高め社会・経済・政治で活躍できるようにしよう。
10.3 差別的な法律や政策、習慣をなくそう。そして全ての人々が同様に扱わて、適切な権利や制限、政策、行動などをとれるようにしよう。
10.4 世界中で税制、賃金、社会保障政策などの政策を導入し、平等の拡大を達成しよう。
10.5 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、強化しよう。
10.6 開発途上国がもっと地球規模の国際経済・金融制度の意思決定に参加したり発言力を拡大させることで、世界のより良い制度をつくって実現しよう。
10.7 移民する人がもっと秩序のとれた、安全で規則的で責任ある移住ができるようにしよう。
10.a 世界貿易機関(WTO)協定に従って、開発途上国、後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇をしていこう。
10.b 後発開発途上国、アフリカ諸国、領土が狭く、低地の島国、内陸開発途上国などの政府開発援助(ODA)や海外直接投資を含む資金の流入を促進していこう。
10.c 2030年までに、移住労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路をなくそう。

世界の現状

2016年の時点で、後発開発途上国から世界市場への輸出品のうち、64.4%に対する関税がゼロとなっていますが、この割合は 2010 年以来、20%増大しています。
人や国の不平等をなくそう1-3.jpg" alt="20%の最貧層世帯の子どもは依然として、20%の最富裕層の子どもに比べ,5歳の誕生日を迎える前に死亡する確率が3倍も高くなっています
社会保障は全世界で大幅に拡大しているものの、障害を持つ人々が極めて高額な医療費を支払わねばならない可能性は、平均の5倍にも上っています。
開発途上国の大部分で、妊産婦の死亡率は全体として低下しているものの、農村部の女性は依然として、都市部の女性に比べ、出産中に死亡する確率が3倍も高くなっています。
所得の不平等の中には、男女間を含む世帯内の不平等に起因するものが30%に及びます。女性は男性に比し、平均所得の 50%未満で暮らす可能性も高くなっています

目標11:住み続けられるまちづくりを

住み続けられるまちづくりを

11.1 2030年までに、世界中で、安心安全に暮らせる家や、基本的なサービスが使えるようにして、スラムを改善していこう。
11.2 2030年までに、社会的弱者、女性、子ども、障害者、高齢者の人達でも利用しやすい公共交通機関を拡大し、より安全性の高くリーズナブルな値段で、持続可能な輸送システムを作っていこう。
11.3 2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
11.4 世界の文化遺産、自然遺産の保護・保全の努力を強化しよう。
11.5 2030年までに、世界中で水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に減らし、経済損失を大幅に減らそう。
11.6 2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。
11.7 2030年までに、女性、子ども、高齢者、障害者を含め、人々に安全で利用できる緑地や公共スペースをつくろう。
11.a 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部と農村部の良好なつながりを支援しよう。
11.b 2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する耐えられるような社会をを目指そう。そして都市や居住地のを大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-203に沿って、あらゆる災害リスク管理の策定と実施を行っていこう。
11.c 後発開発途上国に財政・技術的な支援などを通じて、現地の資材を使って、持続可能かつ頑丈な建造物の整備を支援しよう。

世界の現状

現在、世界人口の半数に当たる35億人が都市で暮らしていますが、2030年までに都市住民は50億人に達するものと予測されます
今後数十年間の都市膨張の95%は、開発途上地域で起きると見られます。
現在、スラム住民は8億8,300万人に上りますが、そのほとんどは東アジアと東南アジアで暮らしています。
面積にして地球の陸地部分のわずか3%にすぎない都市は、エネルギー消費の 60~80%、炭素排出量の75%を占めています。
急速な都市化は、真水供給や下水、生活環境、公衆衛生に圧力を加えています。
2016年の時点で、都市住民の90%は安全でない空気を吸っており、大気汚染による死者は420万人に上っています。全世界の都市人口の過半数は、安全基準の2.5倍以上に相当する水準の大気汚染にさらされています。

目標12:つくる責任つかう責任

つくる責任つかう責任

12.1 開発途上国の開発状況や能力を考えながら、先進国が率先して、持続可能な消費・生産(10YFP)を、全ての国々が対策できるようにしよう。
12.2 2030年までに、天然資源の持続可能な管理、効率的に利用できるようにしよう。
12.3 2030年までに、世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後に廃棄などの損失が出ないように、生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させよう。
12.4 2020年までに、世界中で人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減させよう。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再利用するなど、廃棄物の発生を大幅に削減しよう。
12.6 大企業や多国籍企業などの企業に対し、社内で持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期的に報告し合ったりしよう。
12.7 国内の政策や優先事項に従って、持続可能な行政サービスなどを促進していこう。
12.8 2030年までに、世界中の人が、持続可能な開発や自然との共存に関する情報と意識を持つようにしよう。
12.a 開発途上国が、より持続可能な消費・生産がしていけるように、科学的・技術的な能力を高めていけるような支援をしていこう。
12.b 地域に雇用を生み出したり、地方の文化や特産品を広めたり、持続可能な観光業や開発がもたらす影響をを考え、実行していこう。
12.c 開発途上国の状況を考えながら、そこで生活する人達の影響を及ぼさないように、税制や、有害な補助金などは廃止していこう。各国の状況に応じて、市場のひずみをなくすことで、気持ちよく商売ができるシステムをつくろう。

世界の現状

2050 年までに世界人口が96億人に達した場合、現在の生活様式を持続させるためには、地球が3つ必要になりかねません
インフラと建設部門で非金属鉱物の利用が増える中で、物質面の生活水準には大幅な改善が見られています。開発途上国の 1人当たり「マテリアル・フットプリント」は、2000年の5メートルトンから2017年の9 メートルトンへと増大しました
世界最大の250社のうち93%は現在、サステナビリティー報告書を作成しています。

■ 水

全世界の水資源のうち(飲用に適した)淡水は 3%に満たず、しかも 2.5%は南極や北極、氷河で凍り付いています。よって人類は、全体のわずか 0.5%の淡水で人間生態系の淡水ニーズを満たさねばなりません
人間は、自然が河川や湖沼で再生、浄化できる以上の速さで、水を汚染しています。
淡水にアクセスできない人々は、依然として10億人を超えています。
水の使い過ぎは、世界的な水ストレスを助長します。
水は自然から無償で手に入るものの、給水のためのインフラには大きなコストがかかります。

■ エネルギー

全世界の人々が電球を省エネ型に変えたとすれば、全世界で年間 1,200 億米ドルが節約できます。
技術の進歩による省エネの促進にもかかわらず、経済協力開発機構(OECD)諸国のエネルギー使用は、2020年までにさらに35%の増大を続けると見られます。世界的に見て、エネルギーの使用が最も急速に拡大しているのは輸送部門ですが、商業用・住宅用のエネルギー使用がこれに次いでいます。
2002年の時点で、OECD 諸国の車両保有台数は5億5,000万台に達しています(うちマイカーは75%を占める)。2020年までに、車の所有台数は32%増大すると見られます。また、自動車の走行キロ数も 40%増大すると見られているほか、世界全体の空路輸送距離も同時期に3倍に増える見込みです。
家計は地球全体のエネルギーの29%を消費することにより、二酸化炭素(CO2)排出量の 21%を占めています。
2015年、最終エネルギー消費に占める持続可能エネルギーの割合は、17.5%に達しました。

■ 食料

食料による環境への大きな影響は、生産段階(農業、食品加工)で生じていますが、家計は食べ物の選択や食習慣を通じて、こうした影響を左右します。その結果として、食料関連のエネルギー消費と廃棄物の発生による環境への影響も生じています。
毎年、生産される食料全体の3分の2に相当する13億トン、価値にしておよそ 1兆ドルの食料が、消費者や小売業者のゴミ箱で腐ったり、劣悪な輸送・収穫実践によって傷んだりしています。
全世界で 20 億人が体重超過または肥満となっています。
土地の劣化、土壌肥沃度の低下、持続不可能な水利用、漁業資源の乱獲と海洋環境の破壊はいずれも、天然資源基盤の食料供給能力を低下させています。
食料部門は、全世界のエネルギー消費の約30%と、温室効果ガス排出量全体の約 22%を占めています。

目標13:気候変動に具体的な対策を

気候変動に具体的な対策を

13.1 世界中で、気候に関する災害や自然災害に適応できる強い能力を高めていこう。
13.2 気候変動対策を国別で考え、戦略をたて、計画にいれていこう。
13.3 気候変動の緩和したり、適応したり、影響を軽減、早期警戒できたりするような教育や啓発、人の能力や制度を見直していこう。
13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員しよう。っそして気候変動枠組条約に基づき、緑の気候基金をはじめていこう。
13.b 後発開発途上国、領土が狭く、低地の島国、女性や青年、または地方や社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動に関連する効果的な計画や管理のための能力を向上するメカニズムをつくっていこう。

世界の現状

2018年4月現在、175カ国がパリ協定を批准し、168 カ国は国連気候変動枠組条約事務局に初回の自国が決定する貢献を伝えています。
2018年4月現在、開発途上10カ国は、気候変動対策のための第1次国内適応計画 を完成、提出しています。
先進締約国は引き続き、緩和対策のために2020年までに年間 1,000億ドルを共同で動員するという目標の達成に向けて前進しています。

目標14:海の豊かさを守ろう

海の豊かさを守ろう

14.1 2025年までに、海洋ごみ減らし、海を豊かにするために、特に陸上での汚染や、それに関係する海洋汚染を減らす取り組みをしていこう。
14.2 2020年までに、海洋、沿岸の生態系への重大な悪影響を回避するため、より強い持続的な管理と保護を行い、健康で海の生態系を守るよう取り組んでいこう。
14.3 あらゆる科学的な協力を通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処していこう。
14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
14.5 2020年までに、国内法、国際法に従いながら、最大限に出来る科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを守っていこう。
14.6 開発途上国、後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制しよう。
14.7 2030年までに、漁業、水産養殖、観光の持続可能な管理などを通じ、領土が狭く、低地の島国、後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による企業の持っている力を増大させよう。
14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、領土が狭く、低地の島国、後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源や市場へのアクセスを提供していこう。
14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化していこう。

世界の現状

海洋は地球の表面積の4分の3を占め、地球の水の97%を蓄え、体積で地球上の生息空間の99%を占めています。
海洋と沿岸部の生物多様性に依存して生計を立てている人々は、30億人を超えています。
世界全体で、海洋と沿岸の資源と産業の市場価値は年間3兆ドルと、全世界のGDPの約5%に相当すると見られています
海洋には、確認できているだけでおよそ20万の生物種が生息していますが、実際の数は数百万に上る可能性があります。
海洋は、人間が作り出した二酸化炭素の約30%を吸収し、地球温暖化の影響を和らげています。
海洋は世界最大のたんぱく源となっており、海洋を主たるたんぱく源としている人々は 30億人を超えています。
海面漁業は直接的または間接的に、2億人以上を雇用しています
外洋地点の観測によると、産業革命の開始から現在までに、酸性化の水準は26%上昇しています。
沿岸水域は汚染と富栄養化によって劣化しています。協調的な取り組みを行わなければ、沿岸の富栄養化は2050年までに、大型海洋生態系全体の20%で進むものと見られています。

目標15:陸の豊かさも守ろう

陸の豊かさも守ろう

15.1 2020年までに、国際協定のルールに従って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系、それらのサービスの保全、回復持続可能な利用を確保しよう。
15.2 2020年までに、世界全体であらゆる種類の森林の持続可能な経営を実行し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、新しい木を植えて再植林を大幅に増加させよう。
15.3 2030年までに、砂漠化、干ばつや洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、の持続可能な土地を作るように努力しよう。
15.4 2030年までに、持続可能な開発に不可欠な山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系を守る活動をしていこう。
15.5 2020年までに、失われつつつある自然を守ることで、絶滅する動物を保護して絶滅から守ろう。また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を行っていこう。
15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進しよう。
15.7 保護の対象となっている動物や植物のの密猟や違法取引を撲滅するため、緊急対策を設置し、違法な野生生物の製品を売る人にも買う人にも対処しよう。
15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸や海の生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行っていこう。
15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方でこれから開発プロセスや貧困削減のためにどうするかを話し合い、予算をたてよう。
15.a 持続的な生物多様性と生態系の守るために、あらゆる資金源からの資金を立てたり、予算を増やしていこう。
15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分な成果報酬のための相当量の資源を動員しよう。
15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するために、世界中で協力していこう。

世界の現状

■ 森林

およそ16億人が、森林に依存して生計を立てています。その中には、約7,000万人の先住民が含まれます。
森林には陸生種の動植物と昆虫の 80%以上が生息しています。
2010年から2015年にかけ、世界では 330 万ヘクタールの森林が失われました。農村部の貧しい女性は、共同利用資源に依存しているため、森林破壊による特に大きな影響を受けています

■ 砂漠化

26億人が農業に直接依存していますが、農地の52%は土壌荒廃による中程度の、または深刻な影響を受けています。
耕地の喪失は、かつてのペースの30倍から35倍の速さで進んでいるものと見られます。
毎年、干ばつと砂漠化によって 1,200万ヘクタール(1分間に23ヘクタール)の土地が失われています。これは1年間で2,000万トンの穀物が栽培できる面積に当たります
全世界で貧困層の74%が、土地劣化の直接的影響を受けています。

■ 生物多様性

野生生物の密猟と密売は、依然として保全に向けた取り組みを損なっており、報告されている7,000種近い動植物の不正取引には、120カ国が関与しています
確認されている8,300の動物種のうち、8%は絶滅し、22%が絶滅の危機にさらされています
8 万を超える樹種のうち、潜在的な利用可能性が検討されているものは1%にも達していません。
魚は約 30 億人に動物性タンパク質の20%を提供しています。わずか10の魚種で海洋捕獲漁業の漁獲高の約30%を占める一方、養殖漁業生産の約50%も10種で占められています
人間が摂取する食料の80%以上は植物に由来します。コメ、トウモロコシ、小麦の3つの穀物だけで、エネルギー摂取量の60%を占めています。
開発途上国では、農村部の住民の80%にも上る人々が、基本医療を伝統的な植物ベースの薬に依存しています。
微生物と無脊椎動物は、生態系サービスにおいて鍵を握る存在ですが、その貢献度はあまり知られておらず、認識されることもほとんどありません

目標16:平和と公正をすべての人に

平和と公正をすべての人に

16.1 世界中あらゆる所で起きている、すべての暴力や暴力に関連する死亡率を大幅に減少させよう。
16.2 子どもに対する虐待、搾取、取引、あらゆる暴力や拷問をなくそう。
16.3 国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、すべての人々に司法への平等なアクセスを提供しよう。
16.4 2030年までに、違法な資金や武器の取引を大幅に減らし、違法に奪われた財産を取り戻したり、あらゆる形態の組織犯罪をなくしていこう。
16.5 あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させよう。
16.6 あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させよう。
16.7 あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保しよう。
16.8 世界で起こる多様な問題に対して、国を越え問題を解決していく機関に対して、開発途上国の参加を呼び掛けて行こう。
16.9 2030年までに、世界中で出生登録を含む法的な身分証明を提供できるようにしよう。
16.10 国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障しよう。
16.a 特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでの能力構築のため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化していこう。
16.b 持続可能な開発のための非差別的な法規及び政策を推進し、実施していこう。

世界の現状

腐敗が最も広がっている制度の中には、司法と警察が含まれています。
贈収賄や横領、窃盗、脱税は、開発途上国に年間およそ1兆2,600億ドルの被害を及ぼしています。これは、1日1ドル25セント未満で暮らす人々を少なくとも6年間、1 ドル25セント以上で生活させることができる金額に相当します
5 歳未満児の 73%は出生届の対象となっていますが、サハラ以南アフリカでは出生届率が46%に止まっています。
紛争被災地域には、小学校就学年齢で学校に通えていない子どもがおよそ 2,850万人います。
法の支配と開発の間には、有意な相関関係と相互補強関係があるため、国内と国際の双方のレベルで法の支配を確保することが、持続可能な開発に不可欠となっています。
有罪判決なしに拘禁されている受刑者の割合は最近の10年間、受刑者全体の31%を占め、ほぼ横ばいとなっています。

目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

パートナーシップで目標を達成しよう

17.1 課税および徴税能力の向上に向けた国際的な支援などを通じて、開発途上国の国内資源の動員を強化しよう。
17.2 先進国は、多くの国が達成することをコミットしているODA/GNI比0.7%を開発途上国に、うち0.15~0.20%を後発開発途上国に提供することを含むODAコミットメントを完全実施する。ODA供給国が、少なくともODA/GNI 比 0.20%を後発開発途上国に提供するというターゲットを設定することを考慮することを奨励する。
17.3 複数の財源から、開発途上国のための追加で資金源を動員していこう。
17.4 必要に応じた負債による資金調達、債務救済および債務再編の促進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国(HIPC)の対外債務への対応により債務リスクを軽減しよう。
17.5 後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入し、実行していこう。
17.6 科学、技術、およびイノベーションに関する北南協力、南南協力および地域的・国際的な三角協力を強化するとともにこれらへのアクセスを向上する。また、国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整改善や、グローバルな技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件において知識共有を進めていこう。
17.7 開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及、および拡散を促進しよう。
17.8 2017年までに、後発開発途上国のための技術バンクおよび科学・技術・イノベーション(STI)キャパシティ・ビルディング・メカニズムを完全運用させ、情報通信技術(ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化しよう。
17.9 北南協力、南南協力および三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼったキャパシティ・ビルディングの実施に対する国際的な支援を強化し、すべての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援しよう。
17.10 ドーハ開発アジェンダにおける交渉完了などにより、WTOの下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、平等な多角的貿易システムを促進しよう。
17.11 開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍増させよう。
17.12 WTOの決定に従い、後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透明、簡略的かつ市場アクセスに寄与するものとなるようにするなど、すべての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスを実行しよう。
17.13 政策協調や政策の首尾一貫性などを通じて、世界的なマクロ経済の安定を促進しよう。
17.14 持続可能な開発のための政策の一貫性を強化しよう。
17.15 貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間およびリーダーシップを尊重しよう。
17.16 持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップのマルチステークホルダー・パートナーシップによる補完を促進し、それによるナレッジ、専門知識、技術、および資金源の動員・共有を通じて、すべての国々、特に開発途上国の持続可能な開発目標の達成を支援しよう。
17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。
17.18 2020年までに、後発開発途上国および小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対するキャパシティ・ビルディング支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置、およびその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させよう。
17.19 2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP以外の尺度を開発する既存の取り組みを更に前進させ、開発途上国における統計に関するキャパシティ・ビルディングを支援しよう。

世界の現状

2014年の政府開発援助(ODA)総額は1,352億ドルと、過去最高の水準を記録しました。
先進国は、開発途上国からの輸入品の79%に関税をかけていません。
開発途上国の債務負担は、輸出収入の3%程度で安定しています。
アフリカのインターネット利用者は、過去4年間でほぼ2倍に増えました。
世界の若者の30%は、オンライン歴5年以上の「デジタル・ネイティブ」です。
、40億人以上がインターネットを利用できておらず、しかもその90%は開発途上地域に暮らしています。

コメント

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