もうすぐ本格的な梅雨が始まりますね。
梅雨が近づくと不安定な天気の日も多く、急に雨が降ってきたという日も少なくありませんね。
急に雨が降ってきた時は「あっ傘がない!コンビニで買おう」とコンビニや100均などで買えるビニール傘。
安くて使い捨て感覚で買えるビニール傘はとても便利ですが、実は今とっても問題になっているんです。
日本は傘大国だった
実は日本は傘大国というのはご存知ですか。
日本洋傘振興協議会によると、1年間で約1億2000~3000万本もの傘が消費されているとか。そのうちビニール傘の消費量は6000~8000万本と言われています。
日本の総人口が約1億3000万人なので、毎年必ず1人1本傘を購入していることになりますね!しかもその半分がビニール傘ということなので、日本人のビニール傘の購入率がいかに高いかが分かります。
ちなみに世界35か国の平均の傘の所有数は2.4本で、日本は3.6本(その内ビニール傘の所有数は1.6本)と言われています。世界的にみても日本の傘の所持数は断トツで多いのです!
日本が傘大国だったなんて、知らなかったですよね!
■参考文献
日本洋傘振興協議会
https://www.jupa.gr.jp/
ウェザーニュース2017年傘調査
https://jp.weathernews.com/news/16769/
ウェザーニュース世界の傘事情調査
https://jp.weathernews.com/news/4270/
ビニール傘が捨てられる量
日本は傘の所有数も多いのですが「傘の忘れ物」もとっても多いのです。
警視庁が発表した「令和2年度の遺失物取扱状況」では、年間で約22万本の傘が忘れ物として届けられました。特に持ち主を特定できないビニール傘の忘れ物は、忘れたとしてもわざわざ取りにくるような人はほとんどいません。
JR東日本では、傘の忘れ物保有期間を3カ月から1カ月に変更するほど、傘の忘れ物は増加傾向にあります!まだまだ使える傘も多いのに忘れ物などで行き場をなくした傘は、廃棄されることになってしまいます。
その量は驚くほど多く、じつに1か月に20~30トンもの傘が廃棄物の処理工場に運ばれてくるといいます。
ビニール傘のほとんどが埋め立てられる
ビニール傘の素材には
①PVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)
②ポリエチレン
のどちらかで作られているものが多いです。
「PVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)」は、ビニール傘やプールバックなどによく使われている素材で、水や汚れに強いのが特徴的です。「ポリエチレン」はビールケースや洗面器などに使われている素材です。
元々ビニール傘はPVC製で作られた物が多かったのですが、「PVCは燃やすとダイオキシンなどの有害物が発生するのでは?」と、環境や人への影響を懸念されたことで、ポリエチレン製のビニール傘が増えてきました。
しかし環境に配慮した素材に変えたとしても、捨てられる量が増えていけば、結局は同じことです。何故なら廃棄物の処理工場に運ばれてくる傘の処理は、手間とコストがかかります。特にビニール傘はさまざまで材質が組み合わさって作られているので、分解に手間がかかるうえ、分別がとても難しいのです。
リサイクルするのも難しいので、破棄された傘の多くが処理しきれずに、毎年約4800万本が埋め立てられているのが現状です。
■NHK生活情報ブログ
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/800/412391.html
捨てられる数を減らさない限り、環境問題は変わらないですね。
私たちが傘をごみにしない為にできること
捨てられる傘の量を減らすには、どうしたらいいのでしょうか。
私たちにできることを考えてみましょう。
お気に入りの傘を買う
自分のお気に入りの傘や、ちょっと良いお値段の傘を持ってみるのも傘のごみを減らす方法の一つです。お気に入りの物やちょっと良いお値段の物って、絶対になくしたくないし、長く愛用したいと思いますよね。
ビニール傘も安価でとっても便利なものですが、お気に入りの傘を見つけることで、電車や飲食店でうっかり傘を忘れてしまった!!ということもなくなるのではないでしょうか。
傘を修理に出す
安価のビニール傘なら、壊れたとしてもまた新しい傘を買えばいいやって、捨ててしまいがち。
でも傘も靴やカバンと同じように修理が出来るんです。壊れたからといってすぐに捨ててしまうのではなく、修理して長く愛用してあげましょう。
長く愛用することで、捨てられる傘の量も減らすことができるのではないでしょうか。
折りたたみ傘にする
最近はコンパクトで軽量なものなど、色々なメーカーから折りたたみ傘が発売されています。コンパクトで軽量なものだと、普段からカバンに1本忍ばせておいても負担にはなりませんよね!
急に雨が降ってきても、わざわざコンビニや100均で購入する必要はありません!
傘のシェアサービスを利用する
急に雨が降ってきた時は、傘のシェアリングサービスを利用してみるのも良いですね。
傘のシェアリングサービス「アイカサ」は、駅や店頭など最寄りの「アイカサスポット」から傘をレンタルし、使わなくなったら返却できるサービスです。
返却は借りた場所とは別の場所に返しても良いので、突然降ってきた雨にもすぐ対応できます。
現在は東京・横浜・大宮・名古屋・奈良・大阪・神戸・岡山・水戸・福岡の10都市のみのサービスですが、今後のエリア拡大にも期待。
基本プランは、24時間で70円。
24時間を超えた場合は、追加料金が発生するので、連続で借りたい時は使い放題プランなどもあります。
支払方法はクレジットカード 、LINE Pay、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクなどが対象。
■アイカサ
WEB : https://www.i-kasa.com/
Twitter : https://twitter.com/ikasa1111
傘カバーを買う
傘カバーを買う事も、傘を忘れない為の方法の一つです。傘カバーは肩に掛けられるものから、車の座席に掛けれるものまで、色々なタイプのものがあります。
肩に掛けられたり、目立つカラーのものだと、置き忘れる心配もないですよね。
フリマやネットオークションを活用する
まだ使える傘だけど、子供の体の成長に合わせて買い替える時ってありますよね。
まだ使える傘を捨ててしまうのは勿体ないです!そうゆう時はぜひリサイクルショップやフリーマーケット、ネットオークション、寄付などを利用してみましょう。
必要としている人の手に渡ることで、ごみを減らすことが出来ます。
使わなくなったものはすぐに捨てるのではなく、必要としている人の元へ届けれるように、色々なものを活用してみましょう。
ビニール傘のサステナブルな動き
PLASTICITY(プラスティシティ)
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環境問題が近い将来に解決されるという思いを込めて「10年後になくなるべきブランド」を宣言している「PLASTICITY(プラスティシティ)」
リサイクルするのが難しいといわれている廃棄されたビニール傘を、丁寧に人の手で選別し、新しい生地へと再生。そして職人の技と作り手の想いが込められたカバンとして生まれ変わります。
家庭にあるビニール傘を贈ると、1枚につき100円分のポイントと交換するプログラムも行っているとか。
スタイリッシュなデザインのカバンはどんな洋服にもマッチしそうです。
caetla(サエラ)
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「caetla(サエラ)」は、【大切に「気づく」、大切を「築く」ものづくり】をコンセプトとしている傘ブランドです。
「+TIC プラスチック」シリーズの傘は、オールプラスチックでつくられたリサイクル可能な傘で、2017年にはグッドデザイン賞を受賞しました。オールプラスチックだから錆びることがなく、万が一壊れても、生地や部材を取り替えることができるので、長く愛用できます。
U-DAY(ユーデイ)
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サステナブルブランド「U-DAY」のRE:PETシリーズの傘は、環境問題を考えて世界中から回収した廃ペットボトルを再資源化し、新たな傘として生まれ変わったもの。
シンプルで飽きの来ないデザインは男女問わず愛用できそうです。
まとめ
日本が傘大国だったというのも驚きですが、捨てられる傘の多さにも驚きましたよね!
ビニール傘は私たちの生活に欠かせない便利なアイテムですが、これからは使い方を考えていかなければいけませんね。