食品以外にも化粧品やコットンなどに使われている「オーガニック」。
オーガニックってよく聞くけど、実際にどうゆう意味?と思われている方も多いですよね。
そんな方の為にオーガニックとは何か、そしてオーガニック食品がどうゆうものかについてご説明したいと思います。
オーガニックとは
オーガニックというと、どんなイメージがありますか。
・健康によさそう
・意識高い系の人が買ってそう
・値段が高い
このようなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。
そもそもオーガニック(Organic)とは、「有機的」という意味があり、農薬や化学肥料を用いないでなるべく自然な状態で育てた農産物のことを差します。
農林水産省が令和元年に報告した「有機食品等の消費状況に関する意向調査」によると、日頃オーガニック食品を飲食している割合は「月に1回未満」と答えた人が最も高く、次いで「月に2~3回程度」「週に1回程」という回答が続きました。このことから、オーガニックを食べる頻度は、まだまだ少ないことが分かりますよね。
ちなみに、オーガニック食品を初めて飲食したきっかけは、「自分や家族が病気にならないため」と回答した割合が最も高く、次いで「広告やメニュー等を見て興味を持った」「家族が購入したため」「環境を守るため」などが続き、近年の健康志向の高まりからオーガニックに興味を持つ人が増えたのではないでしょうか。
■参考文献:農林水産省「有機食品等の消費状況に関する意向調査」
オーガニック食品をよく食べる人は、環境問題への関心も高いことも分かりました!
オーガニックの4つの定義
オーガニックには原則として4つの原則があるとされ、1972年にパリ近郊で設立され、国際的な規模で有機農業を推進している団体IFOAM(国際有機農業運動連盟)によって掲げられました。
※参考文献:「IFOAM有機農業の原理」
原則1:健康の原則
「健康の原則」は身体の健康だけが「健康」ではなく、身体も心も社会もすべてが満たされている状態を維持していることが、本来の「健康」の姿だと考えられています。
健康な土は健康な作物が出来ます。
その健康な作物が、動物や私たちの健康を支えてくれている。
このように全ての生態系の健康は繋がっていると考えられています。だからこそ健康を害する恐れのある肥料・農薬・動物用薬品・食品添加物の使用は排除しようということです。
原則2:生態学の原理
「農業」は生き物の生態系の中に成り立っているもの。農作物は元気な土がなければ育ちませんし、魚や水産物だって水の中の環境が良くないと育ちませんよね。
「生態学の原理」とは、自然の循環と生態系バランスの中に沿った方法で行っていくべきだと考えられています。
原則3:公平性の原則
農業は「人と人」「人と他の生きもの」との関係の中で、公平に行われなくてはなりません。
「公平性の原理」では、農業者、労働者、加工業者、流通業者、販売者、そして消費者など有機農業に関わる人々が、公正さを確保できる方法で人間関係を結ぶべきだと考えられています。
原則4:配慮の原則
「配慮の原則」とは人や動物、環境に配慮していく行っていくことです。私たちは農業や生態系に対して100%理解しているとはまだいえません。
遺伝子組み換え技術のような予測不可能な技術は排除すること、そして技術は定期的に見直していくことで、より人や動物、環境にとって良い選択をしていくべきだと考えられています。
オーガニックとサステナブルの関係
IFOAMの考えるオーガニックの4原則は、サステナブル(SDGs)とも繋がっていますよね!
健康・生態学・配慮の原則とサステナブルの関係
健康の原則・生態学の原則・配慮の原則はそれぞれSDGs「目標13:気候変動に具体的な対策を」「目標14:海の豊かさを守ろう」「目標15:陸の豊かさも守ろう」に関係しています。
良い土や、水中環境が良くすることは、そこに関わる全て生態系を守るということです!
公平性の原則とサステナブルの関係
公平性の原則は「目標1:貧困をなくそう」「目標10:人や国の不平等をなくそう」「目標16:平和と公正をすべての人に」に関係しています。
農業者、労働者、加工業者、流通業者、販売者、そして消費者など有機農業に関わる人々が、公正に取引することで、安いお給料で働かされたり、子供たちを強制労働などするなどの問題への解決にも繋がります。
日本の法律「JAS法」
日本では農産物のパッケージや商品説明に「オーガニック」や「有機」といった言葉が使用できるのは、農林水産省及び消費者庁が制定した、農林物資の規格化等に関する法律「JAS法」の「JAS規格制度」の認証を受けたものだけになります。
JAS規格の認定を受ける為には、「農場は最低3年以上農薬を使っていないこと」「遺伝子組み換え技術を使用していないこと」など、様々な厳しい基準をクリアしないといけません。
■主な基準
- 化学肥料や農薬の使用を避けること
- 土壌の性質を生かす作物を植えること
- 環境への負荷をできる限り低減した栽培をすること
- 採取場の生態系の維持を壊さないようにすること
■有機農産物の基準
- たい肥等で土作りを行い、禁止された農薬や化学肥料を使用しない
- 土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させる
- 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減
- 遺伝子組換え技術を使用しない
■有機畜産物の基準
- 環境への負荷をできる限り低減して生産された飼料を与える
- 動物用医薬品の使用を避ける
- 学的要求に配慮して育てた家畜、家きんから生産する
■有機加工食品の基準
- 物理的又は生物の機能を利用した加工方法を用いる
- 化学的に合成された食品添加物及び薬剤の使用を避ける
- 原材料は水と食塩を除いて、95%以上が有機農作物、有機畜産物、有機加工食品
※文章引用:農林水産省「生き物にやさしい日本を残したいっていいね!」
農業の自然な循環サイクルを守る為には、厳しい基準が必要なんですね!
有機JASマーク
このような厳しい審査をクリアした農産物、加工食品にだけこの緑の「有機JASマーク」を表示することが認められています。
この「有機JASマーク」は、左側の円が「太陽」、右側の繋がっている円が「雲」、そして真ん中が「植物」をイメージしており、このマークがない農産物、畜産物、加工食品には「オーガニック」や「有機」などの表示を付けることは法律で禁止されています。
オーガニック食品のメリット
安全性
私たちは毎日食べ物を口にします。
毎日体に取り込むものだからこそ、農薬や化学肥料を使用して作られた食材を、何十年も体内に取り込み続けるよりも、農薬や化学肥料を使用せずに育てた食材を食べた方が安全と考えることができますよね。
地球に優しい
農薬や化学肥料を使うことで、土の中の環境を壊し生態系を崩してしまう恐れがあります。その分有機栽培は、農薬や化学肥料を使用していないので、環境への負荷も少ないですよね。
オーガニック食品のデメリット
収穫量が少ない
農薬や化学肥料などの薬を使用せず、農作物を作るのは薬を使うものよりも時間がかかります。
そのため出荷量も少ないので、大量生産ができません。
出荷量が少ない分、売っているスーパーも限られてしまっているのですね。
コストがかかる
「オーガニック=高い」というイメージがある方も多いと思います。
これにもちゃんとした理由があって、農薬を使用していないということは、その分害虫のリスクが高くなります。
生産者は害虫の対策を毎日行わなくてはならないので、相当な手間暇がかかってしまいます。。労力も人手もいる分、どうしてもオーガニック食品は料金が高くなってしまうのです。
賞味期限、消費期限
農薬や化学肥料などの薬を使用していないオーガニック食品は、長期間の保存は不向きです。
農林水産省が令和元年に報告した「有機食品等の消費状況に関する意向調査」では、オーガニックに限らず食品を購入する時によく確認する表示内容は、1位は「原産国」、2位が「賞味期限、消費期限」、3位が「原材料」の順であることが分かりました。
■ 参考文献:農林水産省「有機食品等の消費状況に関する意向調査」
「賞味期限」「消費期限」が出来るだけ長いものを選ぶことになると、どうしてもオーガニック食材が選択肢から省かれてしまいがち。。
関西オーガニック食品 取扱店
関西オーガニック食品 通販
家の近所にオーガニックを取り扱っているお店がないという方は、通販を利用してみるのも良いかもしれません。
野菜以外にお肉や調味料などを、お試し購入から定期購入までできるので、自分のライフスタイルに合わせて選んでみましょう。
らでぃっしゅぼーや
有機・低農薬野菜、無添加食材などの定期宅配サービスを提供する「らでぃっしゅぼーや」
独自の安全性基準「RADIX」を設けており、環境への負荷を極力かけずによりよい商品を届けることを目標としており、おいしい旬の食品から日用品まで安全・安心のものをお届けしてくれます。
ビオ・マルシェ
ビオ・マルシェの宅配は、週に1度有機野菜やオーガニック食材を自宅まで届けてくれる、オーガニック専門の会員制の定期宅配サービスです。
取り扱っている商品の中には、有機JAS認証(オーガニック)のものだけではなく、オーガニックを目指す農家さんも応援する取り組みも行っています。
季節の野菜セットは2,000円代から購入でき、1人暮らしの方から家族の人数によって量を選べるのが嬉しい。
ココノミ
ココノミは、「美味しく、安心」を基準にした農薬・化学肥料は不使用の食材を販売している食材宅配サービスです。
販売している食材は、ココノミのスタッフが実際に試食し、独自の基準を満たしたもののみを販売しているとか。取り扱っている商品の生産者を見れるページがあるのも安心です。
取り扱っている食材の種類も豊富なので、どれにしようか迷ってしまうほど!
まとめ
今日から全ての食材をオーガニックに変更するのは難しいと思います。
でも「週に1度だけ」とか「旬なお野菜だけ」「調味料だけ」など、購入のポイントを自分で決めておくことで今よりもオーガニック食品を取り入れられるかもしれません!!
YUIP
将来は犬と猫に囲まれて生活をするのが夢なシンプリスト