最近ニュースやSNSでよく耳にする「サステナブル&SDGs」という言葉。
何となく“地球に良い事をしよう“というコトは分かるけど、イマイチよく分からないという方の為に、サステナブルが何なのか、また今どのような取り組みが進められているのかをまとめてみました。
サステナブルとは
サステナブル(Sustainable)とは「sustain (持続する)」と「〜able(〜できる)」を合わせた言葉で、「持続可能な」とか「継続できる」ことを意味しています。
サステナブルな社会とは
サステナブルな社会を目指すということは、
「維持できる社会」
「持ちこたえられる社会」
「耐えられる社会」
を目指すということです。
もっと簡単に言うと
「地球の資源は限りがあるから、地球の資源を大切にして、次の世代も安心して暮らせるようにしていこう」ということ。
最近だと、スーパーのレジ袋が有料化になったり、プラスチック製のストローを紙製のストローに変えて、プラスチックごみを削減しようという取り組みが少しずつ増えてきました。
これも「地球の資源を大切に使おう」「環境に優しい行動をとろう」というサステナブルな社会に結びつく行動です。
エコとは違うの?
エコ(eco)は、生態学を意味するエコロジー(Ecology)から来ている言葉です。最近では経済と環境は繋がっていると考えられ、経済を意味するエコノミー(Economy)という意味合いも加わりました。
サステナブルは、環境以外に”経済“や”人権“など社会的などの取り組みも含まれていますが、エコはサステナブルよりも「環境問題」に重点を置いた行動です。
SDGsとは?
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、国連に加盟している全193カ国が決めた2030年までに目指す国際的な目標です。
SDGs(エス・ディー・ジーズ)には大きく分けて17個の目標が決められていますが、それぞれ細かい項目に分けられており、全部合わせるとなんと169項目もあります!
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 1住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正を全ての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
2020年度の世界のSDGs目標達成度ランキング
2020年度の世界のSDGs目標達成度ランキングでは、日本は第17位です。
193か国中、17位と聞いても良いのか、悪いのかよく分かりませんよね。。
でもアジアの中では断トツで1位なので、まずまず頑張っている方ではないでしょうか。
ランキング | 国名 |
---|---|
1 | スウェーデン |
2 | デンマーク |
3 | フィンランド |
4 | フランス |
5 | ドイツ |
6 | ノルウェー |
7 | オーストリア |
8 | チェコ共和国 |
9 | オランダ |
10 | エストニア |
11 | ベルギー |
12 | スロベニア |
13 | イギリス |
14 | アイルランド |
15 | スイス |
16 | ニュージーランド |
17 | 日本 |
18 | ベラルーシ |
19 | クロアチア |
20 | 韓国 |
17の目標の達成状況は
サステナブルは大きく分けて17個の目標がありますが、一つ一つはどれぐらい達成できているのでしょうか。
一つ一つ見ていきましょう!
※参考文献:sustainable development report
上の段は、どれくらい達成出来ているのかを色別で表しています。
下の段は、どれくらいのペースで目標に向かっているのかを色別で表しています。
【上の段】
■緑色★★★★
目標達成している
■黄色★★★☆
課題が残っている
■オレンジ色★★☆☆
かなり課題が残っている
■赤色★☆☆☆
相当な課題が残っている
【下の段】
緑色の矢印
・目標達成値を超えている
・2030年までの目標達成に向けてこのペースであれば達成予定
黄色の矢印
・緩やかに改善している
・2030年までに目標達成する為には、もう少しペースアップして頑張る必要がある
オレンジ色の矢印
・停滞している
・2030年までに目標達成する為には、だいぶペースアップして頑張らないと厳しい
赤色の矢印
・後退もしくは減少している
・取り組みが逆効果になっている可能性があるので、大幅に改善が必要
点(・)の印
・データがない
一つ一つの達成状況を見て行こう
目標1:貧困をなくそう
■現在の状況:★☆☆☆
課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
緩やかに改善しているが、もう少しペースアップして頑張らないと目標達成できない
目標2:飢餓をゼロに
■現在の状況:★★☆☆
かなり課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
緩やかに改善しているが、もう少しペースアップして頑張らないと目標達成できない
目標3:すべての人に健康と福祉を
■現在の状況:★★★☆
課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
このペースで改善していけば目標達成予定
目標4:質の高い教育をみんなに
■現在の状況:★★★★
目標を達成している
■2030年までに目標達成する為には
目標を達成しているので、現状維持をし続ける
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
■現在の状況:★☆☆☆
相当な課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
だいぶペースアップして頑張らないと目標達成はかなり厳しい
目標6:安全な水とトイレを世界中に
■現在の状況:★★★☆
課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
このペースで改善していけば目標達成予定
目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
■現在の状況:★★☆☆
かなり課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
緩やかに改善しているが、もう少しペースアップして頑張らないと目標達成できない
目標8:働きがいも経済成長も
■現在の状況:★★★☆
課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
このペースで改善していけば目標達成予定
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
■現在の状況:★★★★
目標を達成している
■2030年までに目標達成する為には
目標を達成しているので、現状維持をし続ける
目標10:人や国の不平等をなくそう
■現在の状況:★★☆☆
かなり課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
取り組みが逆効果になっている可能性があるので、このままいくと目標達成は難しい
目標11:住み続けられるまちづくりを
■現在の状況:★★★☆
課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
このペースで改善していけば目標達成予定
目標12:つくる責任つかう責任
■現在の状況:★★☆☆
かなり課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
一人ひとりの行動が大事なので、現在データ状で把握するのは難しい
目標13:気候変動に具体的な対策を
■現在の状況:★☆☆☆
相当な課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
だいぶペースアップして頑張らないと目標達成はかなり厳しい
目標14:海の豊かさを守ろう
■現在の状況:★☆☆☆
相当な課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
だいぶペースアップして頑張らないと目標達成はかなり厳しい
目標15:陸の豊かさも守ろう
■現在の状況:★☆☆☆
相当な課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
緩やかに改善しているが、もう少しペースアップして頑張らないと目標達成できない
目標16:平和と公正をすべての人に
■現在の状況:★★★★
目標を達成している
■2030年までに目標達成する為には
目標を達成しているので、現状維持をし続ける
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
■現在の状況:★★☆☆
かなり課題が残っている
■2030年までに目標達成する為には
緩やかに改善しているが、もう少しペースアップして頑張らないと目標達成できない
日本が特に頑張らないといけない目標
先ほどの現時点での目標に向かってのペースを見ていると「目標5:ジェンダー平等」「目標10:人や国の不平等をなくそう」「目標13:気候変動に具体的な対策を」「目標14:海の豊かさを守ろう」あたりが、まだまだかなり頑張る必要がありそうですよね!
目標5:ジェンダー平等
世界経済フォーラムが毎年「グローバル・ジェンダー・ギャップ」が発表されています。
■参考資料:Global Gender Gap Report http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2021.pdf
2021年の報告書によると、「経済」「教育」「医療へのアクセス」「政治参加」の4つのカテゴリーで、ジェンダーギャップが少ないのは、1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位ニュージーランド、5位スウェーデンと北欧圏が独占していることが報告されました。
このランキングによると日本は153か国中120位!
下から数えた方が早いほど、低い位置にいることが分かりますよね!
また労働力調査2021年3月分のデータでは
【男女別就業者数】
男性は3676万人、女性は2973万人
【男女別雇用業態数】
■正社員雇用者数:男性2336万人、女性1224万人、
■非正規雇用者数:男性649万人、女性 1405万人
就業者数は男女に大きな差はないのですが、雇用業態を見てみると、女性の正社員数が男性の半分の数しかいないことが分かります。
■参考資料:労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)3月分https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf
働いている女性は多いのに、なぜアルバイトやパートなどが非正規での雇用が多いのか。
出産や、子育てなどライフスタイルの変化による女性への負担が、まだまだ大きいのかもしれません。
国内の「ジェンダー平等」に向けての課題は多そうです。
目標10:人や国の不平等をなくそう
ジェンダー平等では男性より女性の非正規雇用者数が多いという結果でしたが、実は男性の非正規雇用者数も増えています。1980年代後半以降、男女とも、ほとんどの年齢階層で非正規雇用の割合が高まっています。
非正規雇用者が割合が増えている為、一人暮らしの数も減少。
未婚者で親と同居している割合もグッと増えました。
■参考資料:日本の所得格差の動向と政策対応のあり方についてhttps://www.rieti.go.jp/jp/special/af/data/060_inoue.pdf
一人暮らしするにも、結婚するにもお金がいる。
分かってはいるけどお金がないのが現状なんです。
また、ユニセフが発表した「子どもたちのための公平性(先進諸国における子どもたちの
幸福度の格差に関する順位表)」によると、日本の所得の格差は 41 カ国中34位という極めて低い結果に!
こんなにも日本の所得に格差があったなんて驚きですよね。
■参考資料:子どもたちのための公平性
https://www.unicef.or.jp/library/pdf/labo_rc13j.pdf
目標13:気候変動に具体的な対策を
1891年の統計開始以降約0.95℃上昇(100年あたり約0.74℃上昇)、大気中のCO2 濃度は産業革命前に比べて40%も増加しています。
環境省によると、地球温暖化対策の目標として「2030年までに2013年度比で26%減を目指す」という目標がたてられています。
■参考文献:http://www.env.go.jp/press/108307/ref01.pdf
地球温暖化対策で、私たち一人ひとりが出来ることも沢山あります!
身近なことから、実践していきましょう。
・エアコンの設定温度は、夏は28℃、冬は20℃にする。
・シャワーを流しっぱなしにしない
・自家用車の使用を控える
・エコバックを持参する
・長時間使わない電化製品は、主電源を切り、コンセントを抜く
・使っていない部屋の電気は消す。
・テレビのつけっぱなしはしない
目標14:海の豊かさを守ろう
温暖化対策として欠かせない洋上風力発電ですが、現在は浅い海域が少ない日本でも設置しやすい「浮体式」の洋上風力発電の設置が進められています。浮体式の表面に海藻が付着することで、海藻のまわりに小魚が数多く集まり、それを追って大きな魚も寄って来ます。
最近の漁業の問題点は「魚がとれない」「船の油代が高い」「しかも魚価が安い」という三重苦に悩まされており、遠くまで魚を釣りに行っても油代がかさむだけで採算がとれないのが現状です。
ですが島の近くに浮体式の洋上風力発電を海に設置することで、魚が集まってくれば、油代も安く済み採算も撮ることが出来るという期待が込められています。
■参考文献:http://www.env.go.jp/press/108307/ref01.pdf
まとめ
世界的な目標であるSDGsは、難しくて自分には何だか関係ないと思うような人もいるかと思います。
でもマイバックを持つことや、部屋の電気を消すことって聞くと、
とっても簡単で、すぐに出来そうな事だと思いますよね!
サステナブルは私たちが身近にできることが沢山あります。
ことからプラスでは、「寝転んでできること」「お家でできること」「外でできること」「職場でできること」の4つのカテゴリーに分けて、身近にできるサステナブルな取り組みを発信していきます。
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