過ごしやすく、気持ちの良い季節になってきましたね。
海や山などレジャーに行く機会も増えてきたのではないでしょうか。レジャーに行く時に欠かせないのは「紫外線対策」ですよね。
紫外線対策に必須の「日焼け止め」ですが、実はサンゴの白化の原因になっているのはご存知ですか。
今年はぜひ海を守る為の日焼け止めを選んでみませんか。
紫外線対策には欠かせない日焼け止め
太陽の光は、浴びることで「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」が分泌されたり、骨の健康に欠かせないビタミンDの生成を手伝ってくれるものです。
でもお肌のことを気にして、太陽の光を浴びるのを避けている女性は多いですよね。そんな紫外線対策として「日焼け止め」は欠かせないアイテム!
日焼け対策は紫外線による肌へのダメージを防いでくれるだけでなく、皮膚がんや白内障などの病気から守ってくれる役割があるといわれています。
日焼け止めって環境に悪い?
日焼け対策に欠かせない日焼け止め。
特に紫外線が強い夏は日焼け止めが手放せませんが、実は日焼け止めに入っている「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」という成分が、サンゴの白化(はくか)の原因になっているという研究結果が発表されました。
白化(はくか)とは、あるものが白く変化すること。
引用:Wikipedia「白化とは」
サンゴには褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる藻類がくっついていて、この褐虫藻とサンゴはお互いを助け合って生きているのですが、温暖化や日焼け止めの成分によってサンゴが白化(はくか)してしまうと、くっついる褐虫藻は逃げ出してしまいます。褐虫藻とサンゴはお互いを助け合って生きているので、褐虫藻が戻ってこないと、サンゴは死んでしまいます。
サンゴが死んでしまうと、どうなるでしょう。
今度はサンゴと共生している海藻類が減ってしまいます。そして海藻類が減ってしまうと、今度はその海藻類をエサとする魚が減ってしまいます。
そうなれば海の中の生態系が、どんどん崩れていってしまうのです。
世界でも日焼け止めの規制がスタート
サンゴを守る為に、世界では日焼け止めの販売を規制する動きも出てきました。
ハワイでは2021年から紫外線吸収剤(ケミカル)を含む日焼け止めの販売が全面禁止になり、パラオでもサンゴの保護を目的として、有害な化学物質を含んだ日焼け止めの販売を禁止され、禁止された成分を含む日焼け止めを輸入または販売した業者には1000ドル以下の罰金が課せられます。
もちろん旅行客も同様に、化学物質を含まない日焼け止めを持参するよう求められています。
この他にもカリブ海・フロリダ・キーウエスト、メキシコ保護区などでも続々と規制されており、知らないとウッカリ罰金を払うことも起こり得るのです。
海を守る為に、世界が動き始めているんですね!
どの日焼け止めを使えばいいの?
では海を守る為には、どんな日焼け止めを使ったら良いのでしょうか。
日焼け止めには
・紫外線吸収剤(ケミカル)
・紫外線散乱剤(ケミカルフリー)
と呼ばれる2種類の日焼け止めがあり、サンゴの白化を進めると言われているのが「紫外線吸収剤(ケミカル)」の呼ばれている方です。
紫外線吸収剤(ケミカル)とは
ケミカルとも呼ばれる紫外線吸収剤(ケミカル)が入った日焼け止めで、紫外線を一度吸収し、熱エネルギーに変えて肌表面から放出させる役割をしています。
紫外線吸収剤入りの日焼け止めの特徴は、無色透明なので白浮きしにくいので、塗りやすいと人気が高い日焼け止めです。
■ケミカルの主な成分
- トキシケイヒ酸エチルヘキシル
- オキシベンゾン
- メトキシケイヒ酸オクチル
- オクチノキサート
- サリチル酸エチルヘキシル
- トリクロサン
- メチルパラメン
■ケミカルのメリット
- 無色透明なので白浮きしにくい
- 紫外線を防ぐ力が強い
- サラっとしていて塗り心地がいい
■ケミカルのデメリット
- 敏感肌な人は荒れる可能性がある
- 肌への負担が大きい
紫外線吸収剤(ケミカル)が、紫外線を吸収して熱エネルギーに変える際の化学反応により、人によっては肌荒れや肌トラブルを起こしてしまう人もいます。
紫外線散乱剤(ノンケミカル)とは
ケミカルフリーまたはノンケミカルとも呼ばれている紫外線散乱剤が入った日焼け止めは、紫外線を反射・散乱させて、肌に浸透するのを防ぎます。
紫外線吸収剤(ケミカル)に比べて科学反応を起こしにくいので、肌への負担が少ないので、敏感肌の方や子どもさんにも使いやすいとされています。
■ノンケミカルの主な成分
- 酸化チタン
- 酸化亜鉛
■ノンケミカルのメリット
- 肌への負担が少ない
- UVB, UVA, HEVなど幅広い波長の紫外線から守ってくれる
■ノンケミカルのデメリット
- 白浮きしやすい
- 紫外線を防ぐ力が弱い
- べたつきやすい
ケミカルもケミカルフリーもそれぞれにメリット、デメリットがあるんだね!
日焼け止めとサステナブルの関係
紫外線吸収剤無添加(ケミカルフリー)の日焼け止めを使わない選択はサステナブルにも繋がります。サンゴを守ることは海の環境を守ること。これは、SDGsの14の目標「海の豊かさを守ろう」に当てはまります。
「サンゴの白化なんて興味ない」
「サンゴより焼けないことの方が大事」
と思う方もいると思いますが、海に住んでいる生き物、海に携わる仕事をしている人は大勢います。そしてその海からの幸を私たちは頂いています。
サステナブルは「繋がり」。
持続可能な社会を作って行く為には、私たちが想像力を働かせることも大事ではないでしょうか。
環境の為にはケミカルフリーを選ぼう
紫外線吸収剤(ケミカル)が入った日焼け止めも、紫外線散乱剤(ケミカルフリー)が入った日焼け止めも、どちらにもそれぞれメリットとデメリットはあります。
でも環境のことを考えると、紫外線吸収剤(ケミカル)が入っていない日焼け止めを選びたいもの。そこで紫外線吸収剤フリー(ケミカルフリー)の日焼け止めをいくつかご紹介します。
ケミカルフリーの日焼け止め
ELEDA(ヴェレダ)
WELEDA(ヴェレダ)の「エーデルワイス UVプロテクトN」は、紫外線吸収剤不使用(ケミカルフリー)、合成保存料、合成香料、鉱物油不使用の天然由来成分100%で作られた日焼け止めです。
生後1か月の赤ちゃんにも使えるほど、肌に優しい成分で作られています。
石澤研究所
石澤研究所の「紫外線予報 ノンケミカルUVクリームF」は、紫外線吸収剤不使用(ケミカルフリー)、ノンパラベン、ノンアルコール、無色素、無香料、無鉱物油で作られた日焼け止めです。
紫外線吸収剤不使用(ケミカルフリー)の白浮きのしやすいというデメリットもカバーして作られているので、化粧下地としても使えます。
資生堂 IHADA
IHADA(イハダ)の「薬用UVスクリーン」は、紫外線吸収剤無添加(ケミカルフリー)、無香料、無着色、アルコール(エタノール)無添加、パラベン(防腐剤)無添加、厳選された原料を使用した日焼け止め。
高精製ワセリン(肌うるおいバリア保護成分)配合だから乾燥気味のお肌にも嬉しい。
まとめ
私たちが普段何気なく使っているものでも、実は地球環境に影響していたというのは驚きですよね。
女性にとって日焼け止めは欠かせないアイテムなので、日焼け止めを使わない!というのは難しいと思います。
大切なのは「何を選ぶか」です。
日焼け止めの成分がサンゴの白化に影響しているということを頭の片隅にチョコっとでも残しておくだけで、これから日焼け止めの選び方も少し変わってくるはずです。
一人ひとりが少しずつ
地球にとって良い選択が出来れば素敵ですよね。