毎年、世界経済フォーラムが発表している「経済」「教育」「健康」「政治」の4つのカテゴリーの総合で、各国の男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数 」。
そのランキングで12年連続1位を獲得している「アイスランド」
今、世界で一番ジェンダー平等な国、アイスランドが取り組んでいることは何でしょうか。
2030年までに「ジェンダー平等」を目指そう
2015年9月の国連サミット定められた「SDGs(Sustainable Development Goals)」
SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す為に定められた目標で、17個の目標と169のターゲットから構成されています。
その中には「ジェンダー不平等をなくそう」という目標も掲げられており、今、ジェンダー平等に向けて世界が動き始めています。
ジェンダーギャップ指数って何?
世界ではジェンダー平等を実現しようと動き始めていますが、日本でのジェンダー平等はどれくらい進んでいると思いますか?
毎年、世界経済フォーラムが「経済」「教育」「健康」「政治」の4つのカテゴリーの総合で、各国の男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数 (2021)」というものを発表しています。
日本は156か国中、それぞれのカテゴリーの順位は
・経済部門 117位
・教育部門 92位
・健康部門 165位
・政治部門 147位
と、ほとんどが下から数えた方が早い結果に。。
そして総合的な順位は、1位から5位は北欧が独占し、日本は156か国中120位という結果でした。
順位 | 国名 | ジェンダーギャップ指数 |
---|---|---|
1位 | アイスランド | 0.89 |
2位 | フィンランド | 0.86 |
3位 | ノルウェー | 0.84 |
4位 | ニュージーランド | 0.84 |
5位 | スウェーデン | 0.82 |
6位 | ナミビア | 0.80 |
7位 | ルワンダ | 0.80 |
8位 | リトアニア | 0.80 |
8位 | アイルランド | 0.80 |
10位 | スイス | 0.79 |
・ ・ |
・ ・ |
・ ・ |
120位 | 日本 | 0.65 |
※「ジェンダーギャップ指数」は数値が0に近いほど不平等、1に近づくほど平等ということを意味しています。
先進国の中でも日本のジェンダー平等は、まだまだ世界から遅れを取っていることが分かりますよね!
ジェンダー平等1位のアイスランドってどんな国?
国名 | アイスランド共和国(Republic of Iceland) |
---|---|
面積 | 10.3万平方キロメートル(北海道より少し小さい) |
人口 | 約36万人 |
首都 | レイキャビク |
言語 | アイスランド語 |
北ヨーロッパの北大西洋上に位置する島国「アイスランド」
北海道より少し小さめの国土で、人口はおよそ36万人、公用語はアイスランド語です。
何と言っても壮大な大自然が魅力のアイスランドは、地表の10%は氷河に覆われているので、火山活動も活発。その為、温泉が多く湧き出ており、温泉施設も多く存在しています。
また北極圏に近いわりに、北欧の中でも比較的気候は穏やかなので、過ごしやすい夏の6〜9月には多くの観光客が訪れ、オーロラや温泉を楽しんでいます。
アイスランドのジェンダー平等の取り組み
大事な会議の場などで男女比率に偏りがないようにする:クオータ制
ノルウェーで発足された「クオータ制」
クオータ制とは政策決定の場で、議員や会社役員の男女比率に偏りがないようにする為、初めから比率を決めておくという仕組みです。
アイスランドでは、4名以上で集まるような議員や会社役員の委員会には、40%以上を女性とすることが定められています。
男女の賃金格差で罰金が発生!?:同一賃金証明証
1976年に雇用での男女差別を禁止する法律「ジェンダー平等法」が制定。
その後、さらなるジェンダー平等を推進させる為に、2018年世界で初めて男女間の賃金格差を違法とする「同一賃金認証法」が施行されました。
これは25名以上の従業員がいる企業や団体が対象で、男女ともに同一賃金が支払われているという証明書の提出を義務付ける法案です。さらに証明できない場合は、1日辺り最大で500ドル(約5万6000円)の罰金が発生するというから驚きです。
この法案によって、以前は17%近くあった男女の賃金格差が、2018年には約5%近くまで格差が狭まりました。
両親で分け合いながら育児休暇が取得できる:男女共同育児休暇制度
アイスランドの育児休暇制度では産後12カ月の育児休暇を取得できます。
母親、父親ともに育児休暇を取得すると、取得期間が2か月延長されるという制度があり、例えば母親と父親で6か月ずつ取得した後、残りの2か月は両親で分け合いながら育児休暇が取得できます。育児休暇中の給料は、税金で8割が支給されます。
これにより、男性の育休取得率は7~8割を超えるようになりました。それに加えて、アイスランドでは、保育施設も国の重要施設であると認識されているので、誰もが適正価格で施設を利用できるようになっています。
国全体で、子育てをしていこう。
母親と父親をサポートしようという体制が整えられているのですね。
日本の育児休暇の制度も整えられていますが、男性が実際に取得する人はとっても少ないのが現状です。
まとめ
いかがでしたか。
性別だけで、制限されていることや決めつけられていることって、とても多いですよね。
男性・女性関係なく、一人ひとりが人生の選択肢の幅を広げられるような、そんな社会になれたら良いですよね。
先進国の日本は、制度は整えられていても実際に企業や団体が導入したり、実行に移す人がまだまだ少ない印象です。その根底にはどこか「男性とはこうゆうものだ」「女性とはこうあるべきだ」というものが、私たちの中で深く根付いていることが、関係しているのではないでしょうか。
どうしたらもっと一人ひとりが気持ちよく生きられるのか、考えていかなければなりませんね。